三重奏/
そらの珊瑚
南天の実は 何想う
小さな赤い実 何憂う
昨晚 闇夜が長すぎて
ふかづめ しずぎてしまったよ
剥き出しになった指先が
世間に晒され 泣いている
夏に実を結う南天はない
出会う順番が違った恋でしょう
人は季節を選ばない
南天ほどに賢くないから
昼でも日陰の北向きの
南天の実と ふかづめと
今朝の私は三重奏
愚かな恋ほど 愛おしい
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