海と海/そらの珊瑚
その海は
私の海とつながっている
嵐がくれば
たちまちぷつりと切れてしまいかねない
一本の麻のロープの
あやうさで
私の心とつながっている
その海は
もはや この地のどこにもない
幻の海であるのだから
かつての恋人の名前を書いた紙を
硝子壜に閉じ込めて
忘れぬように
その海に流しておいた
昨晩生まれたイルカの赤ちゃんの
いい玩具になるに
違いない
夜明けの海は
まだ見ぬ未来とつながっている
薄桃色の
乙女の無邪気さで
つながっている
つながっていたい
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