『きみの、』/あおい満月
 
きみに、
いのちを ふきこむために
まっしろな こくうから
かたちあるもの へと
きみのてを ひく
あたたかな うみへと
およぎだす ように
きみの うえを
ひかりに なって
そっと てらす

ぼくの ちいさな
ねがいは きっと
いくつもの それらに すぎないけれど

きみの こころの
ひとひらに なりたい
ふゆの そらに ふる あめは
まるで はじまりの ように あたたかい

ぼくは ちいさな へやの かたすみで
ちいさく なみだ する

みえない うみが ふかく なる



                     二〇一二年一月二三日(月)
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