帰る(五月雨降られ)/AB(なかほど)
 
の笑顔が
見えるのだろうか
それとも
あの五月雨に濡れたなら
君は遠くへ
消えてしまうのか


五月雨ふられ
あの日の君は
五月雨ふられ
今 僕は
        雨

洗足池に降る雨を
鈍行列車に降る雨を
庭の木立に降る雨を
窓の木枠に滲む雨を
商店街に降る雨を
書架の向こう降る雨を
あの日の
君の全てに降る雨を


その雨は

もう降らないのかもしれない
もう降っているのかもしれない




五月雨ふられ
君は笑うのか
五月雨降られ
君は消えるのか     雨
五月雨ふられ
僕はどこにいこう


もう少しで降ってきそうだから
もう少し目を閉じてる

      雨

もう降らないのかもしれない
もう降っているのかもしれない
  
          雨
あの日の雨は

もう降らないのかもしれない
もう降っているのかもしれない


 
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