今夜 イラクサの布団で眠る/
そらの珊瑚
上等な絹の布団が
重く
息苦しく感じられて
寝付けぬ
夜がある
棘だらけの
イラクサで編んだ
それこそが
妙にしっくりくることがある
物の怪の心というものは
不思議なものだ
イラクサを編み通した
少女と同じくして
私も
貝のように
押し黙ったまま
身体中から
血を流させて
痛みを友として
今夜 イラクサの布団で眠ろう
朝になったら
呪いが解けて
人間に戻っているかもしれない
戻る
編
削
Point
(2)