本当は「きみ」とも呼びたくないけど、/アルビノ
 
    たぶん一瞬だということはわかっていた
    それはマスメディアによる知識かもしれないし、本能的なものかもしれない
    きみが憎かった
    理由はいつの日も単純明快
    だから言葉だけでは、ぼくの憎しみも怒りも伝えきれないのだと諦めている
    だけどぼくはきみの家を突きとめて何かしてやろうなんてつもりは、さらさら無かった
    きみのために時間を使いたくなんてないし、きみを脳内に住まわせたくもないからだ
    また、単純明快
    ぼくは平和主義者
    平穏に日々が過ぎれば良い
    筈だったのに。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)