『時の剥離』/あおい満月
 
わたしはことばを剥離する
わたしはわたしを剥離する
バナナの皮を剥くように
するんと裂けて
剥がれていった時間の果てに
約束だけが残ったとしても
剥がれていった時間は
未来を繋ぐための架け橋に変わる

わたしは剥離し続ける
雨のように
流れていったことばたちが
約束を生かすための力になるように

約束とは
その目の奥に生きるわたし
交わした手のなかに生きるあなた

いつの日か
風になったとしても
互いのなかにあるように
剥がし続けている
今が未来に向かい続けるように


                      二〇十一年十一月十四日(月)
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