古骨情歌/そらの珊瑚
古骨をそっとかしげる わっちの手
包むは惚れたお方の手
初雪でありんす、あたたかい
北風を待つ渡り鳥
いつか別れの袖ふるを知り
もちぃっと一緒にいておくんなまし
微酔(ほろよ)いて 髪を飾るは
嗚呼、二つ櫛 梅見月(むめみつき)
野ざらしに 成り果ててのち
逢いにゆく
骨を鳴らして逢いにゆく
※古骨 古びた傘のこと
※二つ櫛 髷(まげ)の前に二枚一対の櫛をさすこと
江戸時代に遊女の間で流行ったスタイル
※梅見月(むめみつき) 二月の別称
※野ざらし 白骨化した人間の骨 、
もしくはしゃれこうべ
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