夫婦の星 /服部 剛
浜辺にて、両手で掬った
無数の砂に
たったふたつの光った粒は
あなたと私
無限に広がる宇宙の闇に
ぽつん、と浮かんだ地球の中で
たまたま出逢った
あなたと私
たとえ、世界のすべてが背を向けても
唯一の味方として
互いの手を握り
深い穴から這い出すように
いかなる天気の日にも
ふたりの思案をひとつに重ね
ふたりの夢をひとつに重ね
明日へと続く長い長い一本道に
足跡をつらねてゆくことは
どんなにかけがえのない日々でしょう
あなたもいずれ
潮騒の響く浜辺にて
両手で掬った
無数の砂に視るでしょう
ふたつの星の、瞬きを
戻る 編 削 Point(3)