モノローグ/
石田とわ
た
堕ちてしまえばいい
陽のひかりも笑顔も見られぬほどに
堕ちてしまえばいいと
そう思いながら
おんなはやがて
慣れていく
すべてのものに
夜は繰り返され、
洗い落としたはずの残滓は
少しずつ沁み込み
おんなの爪を色濃くする
それだけのことなのだろう
血のような赤いペティギュアだけを身につけて
笑みを浮かべ横たわる
それだけのこと
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