「 ON AIR 」/
服部 剛
僕の背後にはいつも
ひとつの透明なカメラが浮いている
カメラを意識すると
この胸の奥で燃え始める
小さい太陽
日々目の前に現れる一人ひとりと
私がともに織り成す
全ての風景は
生放送の番組になる
宙に浮く透明のカメラは
歓びに、少し震えて
振り返った僕の目線の先から
ぱっと消えた
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