『深海』/あおい満月
 
何もない深い海に
沈みたいときがある
そんな気持ちが
突然わたしから出入りする
たとえば地下鉄の窓からや
液晶の窓からも
深海はどこにでもある

沈みたくなった時は
呼吸をして目を閉じる
わたしだけの森へ
還るため



                         二〇十一年六月十一日(土)
戻る   Point(9)