鳥たち/シホ.N
 

笑いながら僕らの内部から
ななめうしろに
バタバタ飛んでいった鳥たち

そうだった
僕らに絶対はないのだ
絶対がないことの再認に
僕らと鳥たちのあいだにある
みえない影法師を見よ

愛すべき鳥たちを射るために
照準すえて
今はまさに
ななめうしろを前とする

鳥たちを大地の底に埋めるときには
土くれつかみ掘り進む
その方向が前である
それ以外の決めごとは存在しない

飛ばないし進まない
生きないし死なない
笑いつづける鳥たち
とともに
僕ら進まず
問いかけの言葉も思考ももたずに
ただたわむれる
なにかのためにはなにもせず
ただたわむれのためのたわむれを
笑いつづける鳥たちと

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