人の器 /服部 剛
 
人は皆いつか「自分」という
透けた衣服を、脱いでゆく 

その日まで誰もが人という 
何処かが欠けた、器です。  

(器にはゆるしという
 一滴(いってき)の水が響く  ) 

「自分」という
透けた衣服を脱ぐ日 
初めて人は、器になります。  

かけがえのない人々の胸に 
消えることない、面影を残して 







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