『未知へ』/あおい満月
 
わたしのなか
滑り落ちていく
ふたつの白い月は
鎖のように細く風に凪ぐ
安住の未来へと
繋がっているのか

やけに明るい陽射しに
蝶のように舞う軽い目眩に
鳥籠のなか眠る
小鳥のように踞るわたし

じんわりと手のひらに湧いた泉のような涙に
終末を遠ざける力が
しっかりと隠る

生きていくんだ
危うくても
光ある限り道はある

信じている
遠ざかる景色に
手を振って
わたしは
前を見つめる
歩き出す


                      二〇一二年一月七日(土)
戻る   Point(1)