from malice/アルビノ
 




               まるい水溜まりに映った月を掬おうと
               手をのばして 壊した
               幼き日の悪意なき悪意



               泣いているきみは、
               悪意なき悪意 ひそめて黙ってる
               なんてこれ見よがし
               拒否権は与えない


               涙に映ったぼくは逆さ
               地面に叩きつけられる前にすくおうと思ったけど
               間に合わなかった
               10に散った鏡のような雨だれ



               巣くわれるのは病んだからだだけじゃない
               悪意なき悪意

               例えばきみの足の下の、ぼくの影法師







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