十二月三十一日/蒲生万寿
 
朝六時、布団の中で寺の鐘の音を聞く。
全ての窓を開け、玄関も開け、十五分ほど開けっ放して換気する。
乾麺の二八蕎麦茹で食べる。
玄関先の埃が気になり、掃いて塵を取る。
師走大祓に参列するため、早めに家を出る。

混雑したスーパーの前、散乱する自転車、何時もより人が多い。
ワンルームマンション脇に山となった出し遅れたゴミ。

地下鉄に乗る。

愚痴る二人組の老婆。
冷えていた私の手は温かく乾燥し、携帯を持つにも滑る。

街は既に年の瀬を終えた新年の安堵感に包まれ、寛いだ休日の雰囲気だ。
哀しいものだが仕事を離れると誰もが穏やかになれる。

路傍の日溜まりで寝そべる乞
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