『砂時計』/あおい満月
頭のなかで
鳴り響く砂時計
さらさらと
安住を諦めた瞳が
仰ぐのは暗い天井
流れ込むサーチライトが沁みて
わたしは
眠りの淵に辿り着けない
どんな朝が来るかも知らずに
光と闇の間で目を覚ませば
冷たく光る石が
指先に濡れている
わたしはわたしを
覚えているのだと
また同じ時間を生きれるのだと
ありきたりな奇蹟に
謝礼する
確実なことを忘れていく
わたしの右側は
沈黙を思慮する度に
立ち眩む
わたしはまだ
わかいということ
確実に流れる砂時計が
錠剤の脱け殻になり
風に凪ぐ
二〇十一年十二月二十二日(木)
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