ファースト・エンカウンター/板谷みきょう
ぼせあがっていた紫陽花は、
季節の違いを忘れていた事に初めて気付きました。
それからの紫陽花は、
哀しみにどんどんと青く染まって行きました。
空は同情を寄せ涙を流しました。
その涙は雨となって大地に降って行きました。
空はそんな形でしか、優しさを伝えられませんでした。
が、雨を受けた大地は、
そんな空の心根を無駄にさせない為に紫陽花の強い秋桜への想いと
哀しみを少しづつ慰め続けました。
そうして青い悲しみの色は、
いつの間にか紫陽花の花から抜けて行きました。
紫陽花は枯れた様な透き通った茶色の花となっていきました。
青い哀しみは地中深くに染み渡って行きましたが
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