ファースト・エンカウンター/板谷みきょう
った。
待ち続けた僕の中では、
再び学生時代の先輩の問いが思い出されていた。
それはこんな問いだった。
家族三人で吊橋を渡っていると、
突然橋が崩れ濁流に飲み込まれ流されてしまった。
自分だけが偶然にも
川の中央にあった岩につかまる事ができたのだが、はたと見ると
岩を中央にして一方にはつれあいが、反対側には
子供が同じ距離で流されて行く姿が目に留まった。
今なら、どちらかひとりを助けられることができるかも知れない。
その時に一体どうするだろう。
答えなんかどうでも良い。
日々そういった状況をリアルに意識して生きているかどうか。
大切なのはそこにあったは
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