幕/まーつん
て、縁側の雪景色を視界から締め出し続けることだろう。そうして、ネズミたちが、街の通りを、川のような流れとなって練り歩く、猫たちの楽園を夢見続けるだろう。
今日は冬晴れ。僕は大人になりきれず、何かもやもやしている。靴下の穴が切ない。昼前に走りに出かけたときに、子供が一人、ゴミ捨て場の前にたたずんでいた。暮れの作業は終わり、年明けの四日までゴミ収集は中断する旨の張り紙が、錠前のかけられた入口に張られていた。「終わっちゃったね」と声をかけると、子供は「はい」と答えた。
小さな手にはごみの詰まったレジ袋を提げている。つるりとした顔に沈うつな表情を浮かべていた。十(とお)にも満たなそうな、
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