ねむり姫。/愛心
[彼]はわたしに
それはそれは甘いキスをするのです。
眠りひめ。
熱い身体を覆い尽くして
まるで溶けてしまいそうになる。
逃げられない。
言葉も意識も喰われて
抗えないそれに溺れて。
ただの呼吸すら閉じ込めてしまうほど
わたしの腕ごと強く抱き締めて。
沸き上がる
痛みと快楽と一匙の恐怖。
コーティングするのは
ざらつくシュガーを塗した
[彼]の落としたしずく。
名付けるならば
【Drop of The sandman】
なんて蠱惑的で美味しそうなんでしょう。
口に含んでそのまま口付けて
見いられたわたしは
静かに息を止める。
死因は[彼]に溺れたから。
甘い甘い窒息死。
[グループ]
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