『燃える琥珀』/
あおい満月
琥珀という石を
手にしたことはないけれど
見つめたことがある
黄昏に凍りついた壁の向こうに
眠る葉や虫たち
幾度かこの地中から
出てくる日を待ちわびた
まるでいつかの
わたしに似ている
琥珀は一篇の詩のように
巡る時間を物語る
沈黙という
見えない声で
琥珀は眠らない
いつか手にする
主の指先や胸元で
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