リズム/iloha
 
気泡のリズムに

揺れる髪が

果物の皮を剥くように

編み物をほどいていくように

積み重ねられた嘘を

聞こえない音を

気づかないふりで

奏でている。

本当のきみは

シーソーの向こう側にいて

土星の引力が

ぼくを地上に叩き落とすのを

待っている。




デジタルデータの記憶の他に

なにが残っている?




夏空



後ろ姿

暗闇



倒錯

三角

座り

リクライニング

シート

靴底の

痛み

鈍痛



疼痛

つぅ

つ、、








いつだって再生できるものを

上書きしたことにしてしまう

冷たく晴れた日の約束。

水のなかに

溶けだしていく歳月。
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