『十五夜』/あおい満月
 
月は誰も見てはいない
月は自分を見ているものを
予知している
白く蒼く輝くのは
裏側の過去を隠すため

月には
太陽と共に歩んだ軌跡だけ秘密がある
地上のわたしたちは知りたがるが
望みは
手を伸ばすほど遠くなる

まるで
車窓からどこまでもついてきた
あの夜の満月のように

月が空を昇る
黒い雲の抱擁を受けながら
夜が明けるまで
雲と月の愛撫は続く
十五夜



二〇一一年九月十三日
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