イヴの罠/まーつん
に、暖かいスープ皿の前にかがみ込んでは、気が狂いそうなほどイライラさせられてきた、このじゃまっけな髭をバッサリと切り落とし、わしはハワイにでも移住して、レイバンのサングラスにショーツ、アロハシャツといういでたちで、ゴルフ三昧に興じるつもりなのだ゛と。そう言わせるつもりだ。
もしも彼が抵抗しようとしても、どうということはない。雪のような白髪で、明らかにメタボ気味の爺さんの抵抗など、日ごろランニングと筋トレで鍛えていてる僕には、たかが知れている。そう、僕は若いのだ。まだまだ若いのだ。
物置にはプロパントーチも用意してある。
どうしても彼が首を縦に振らないとなると、それを持ち出すことになるだろう。
星がきれいだ。
メリー・クリスマス。
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