登校日/服部聖一
 
夏休みの特別登校日をちゃんと聞いて帰らないような子供だった
虚弱体質で、勉強もできなかったが、不思議と理科だけは、とても好きだった

夏休み、何をするでもなく
ふらっと魚釣りに出かけては、昼寝をする毎日だったと思う
その頃の夏休み、どんなことを考えていたのか

学校に集まり 夏の夜空にある星を眺めた
はっきりとした記憶


冬の星座は詳しくないが、
夜空に懸かる天の川やカシオペア、
夏の大三角ベガ、
デネブとサソリ座の赤い星アンタレス、
北斗七星のひしゃくの五倍先にある北極星を
クラスのみんなと見上げた

もしかすると、先生と私と数人だったかもしれない
夜空はいつも眺めていたし、星空のことは理科の授業でもしていた
サツマイモのツルが伸びて、夏の盛り
だが、ほんとうは、いつのことだったのか


私は、学校に行かなかったのかもしれない
忘れていた私を、先生は特別に夜に呼び出したのかもしれない
と、ふと思う

夜に学校に集まる という
夏の日

私は、夏休みの中で
夜空と先生のことだけをはっきりと、覚えていたりするのだ
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