絵手紙のこころ /
服部 剛
ほんとうの深呼吸をしよう
北国を旅した時に泊まった宿で
火鉢の前で両手を暖めるひと時のように
ほんとうの手紙を書こう
血の通わない文字のメールを
百通送信、するよりも
旅の便りを
かけがえのない誰かに、投函するように
僕は今迄、日常に追われながら
どれほどの言葉を
両手からこぼれ落ちる砂のように
無駄にしてきただろう
もっと耳を澄まそう
もっとさりげない言葉を贈ろう
日々、目の前に現れる
あなたの目を
まっすぐに見つめて
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