rainy face/Akari Chika
あなたのひと肌に触れて
撥ねる
涙
私はきっと今 雨のような顔をしているでしょう
笑うのは難しい
誰が側にいても
部屋の明かりを灯す一瞬で
自分がどんな人間なのか分かってしまう
凍る声
受話器は無数の星で出来ていると思う、
この小さな機器の中に
私の言葉が響くのね
そしてあなたの言葉が返って来る
ふたつの声が重なって
ひとつの星が生まれる
こっちを見て
私は今 雨のような顔をしているでしょう
でもこの雨は冷たくない、
多分暖かな手を握りしめているから
空模様に振り回される疲れから解放されたら
人間はもっと素晴らしいものになれるかしら
それと
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)