いち/あ。
 
白々と冷えたゆびの先で
あかりを数えていた


ひとつ、ふたつ、みっつ
或いは
いちまい、にまい、さんまい
それとも
いってき、にてき、さんてき


夜の透明度が増していく
音にならないささやきさえも
拾って震わせてしまいそうな


そんな、ある日に


体温を奪われたゆびの先で
あかりを数える
面倒になったので
最後のいち、は
少し欠けた月に

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