七味/m.qyi
まさか2種類ではないだろう。すると、七味も7種類なのだろうとくだらない事を考える。
今日は晴れていたが、日がさっと暮れた。冬の日はナイフを切るようにさっと日が翳る。あっという間に。もう、真っ暗だ。窓からは、点々と灯る高層アパートの灯りが見える。日がな窓辺に座っているのはそれなりの訳があるのかどうかは知らないのだが、つまりは、逃避をしている。僕はそんなにも臆病で無力だ。人生は恐い、鬼ばかり。百鬼が右往左往。ああ、恐い恐い恐いと日がな日向の窓辺で呆けていた。そんなことができるのも、お日様があったからだ。
やはり、お日様はありがたい。僕の住むこの場所は凍るように寒いのだ。そして、もうこの時間、そ
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