頭痛/根岸 薫
 
さっき屋上にいくって
めがねのおじさんが言っていたからです

「お宅の留守に 何だか知らないが
一匹入っていきましたよ」
主人(照れて)「いや、それはもう」
妻(ほほを染めて)「ええ」

「うす暗いねえ」
床を指さす市長
特別室のドアを開けて
黙り込む部下の家庭は暗い

     ところで、あなたのところ最
     近ひるめしどうなっているの
     かしらすりこぎなんてたまに
     はいいかもしれないがしかし
     ちいさすぎてかなわないのだ

「……おそろしくて
口には、出せません」
きしむ階段と
それにみあうだけの色彩
をかねそなえて
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