いったい誰が異常なんだろう/はるな
 
にいれた食材は真空で保存される。どうしてそこに人々を保存しないんだろう?死んでいるのに新鮮とはいったいどういうわけだろう。死んだら腐ってくれ。いつまでもいないでくれ。


夜は眠っている。じきに朝がくるだろう。朝はくるだろうか?
朝を見なければ眠ることができなくなってきた。周期的にそんな日々がやってくる。何度目かのそんな朝方に、わたしは呪文を得る。かんたんなことだ。眠れなければ、眠らなければいいのだし、生きていれば、いつかは死ねるのだ。わたしが異常であっても正常であっても、時間は与えられたようにしか扱えないし、欲しいものは手に入れればいいのだ。彼女は―いつかの友人は―わかっていたのだ。たぶんわかっていて、手に入れようとしたのだろう。そうして私はやっぱり思う、どうして彼女が異常だと言われなければならなかったんだろう?


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