鼻唄 ー道9ー/……とある蛙
 

街の中は喧噪に溢れているので
街の中からゆっくり街道沿いに歩き出す。
季節が素通りしている並木道に
まだ落ちてこない銀杏の葉が茂っている
銀杏の樹肌はゴツゴツしているが
何も物言わずに
気づかないよう年輪を重ねる

自分は銀杏ほどにも成長せず
その脇を下を向いて歩いている
その道の途中で
考え込んでしまうことがある。

道の先に何があるか

今歩いている道はとてもきれいな道で
道の両側には銀杏が植えてある並木道で
しかも赤い煉瓦の敷き詰められた舗装された道

期待している先には誰もいない。

実は銀杏並木ではなく
プラタナスの並木だったのかも知れない
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