孵化〜polsation〜/涼深
空を朱に染め、
太陽が堕ちる
キミを失う世界で
僕は怯えている
絵空事の未来描いてた
瞳閉じたまま崖を行くような
愚かで自由な旅路
繋いだ手の熱があれば
何も怖くなかった
愛しい人
滔々と流れる生命が足元を染め
この両手に熱を残していく
幻想で創りあげた未来
明日なんか見えない毎日でも
連続した確かな刹那
キミが微笑ってくれたから
何も怖くなかった
愛しい人
刻々と流れる時間が例外なく包み
その瞳を濡らす涙もやがて止まる
どこから
この結末は始まっていたのだろう
いつから
この結末しかなくなったのだろう
辿り着いた、偽りの果て
欺いた、その報い
銃口はどこに向ければいい?
還らぬ人
最期の色彩、堕ちる太陽
仮面を取り去った紅い月が不敵に笑む
キミを失った世界
これより先は、ひたすらの闇
新しい「僕」が静かに脈動を始める
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