蜃気楼の魚/三条麗菜
私とあなたのこれからを
たとえるなら広い広い海であり
小さな舟であっても
きっと二人なら渡ってゆける
嵐に巻き込まれ
高波にあおられて
突然の海流に流されても
きっと私たちは離れずにいられる
ただ水平線近くに
揺れる魚の蜃気楼
私たちの絆が壊されるとすれば
あの生き物たちだ
海がひどく冷たい時に現れる
あの幻の魚は
あまりにも悠然と泳ぎ
あらゆるものを超越する
光の法則がこの世界から
失われる時まで
あの魚は命を失わないだろう
あの魚はいずれ
私たちの子供を食べに来る
あなたは守れる?
守れない?
それとも信じない?
幻は一つ
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