期待はずれ/初代ドリンク嬢
 
本当のことをいえば

ほんとの私はこんなもんじゃない

すごいのだ

あたりの様子を伺いながら
どこかの家に入り込み何かを得ようとする野良猫のように

意味もなく尻尾を振り
くるくる回ってつながれた鎖に絡まるさかりのついた雄犬のように

この世の中で自分が一番正しいというような言動を繰り返す
中学生のように

タバコのポイ捨てがかっこいいと思ってタバコをふかすだけの
高校生のように

あなたのためを考えてるのよとしたり顔で話す
進路指導の教師のように

俺たちのやってることが一番かっこいいと思っている
下手なバンドマンのように

食用になることも知らずに
高いワインを飲まされ続ける豚のように

ただセックスの対象として見られていることに
気付かない若い娘のように

燃えないごみの日をしっているカラスのように

ほんとの私はすごいのだ


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