ただしさと真実に関する考察と覚書/はるな
 
たちにただしくあるのをやめようとは思わない。また、わたしはただしさのもとに自分の行動を正当化したいのでもない。ただしくあるが故に、何かを壊すのであれば、それはただしさとはまた別の何かだ。

わたしは、きっと、あなたたちすべてを愛したいと思った。そしてそれが無理なことではないとも思った。出来ると思った。そのためにはただしくいようと思った。真実であろうと思った。だけれど、真実であることは、誰かにとっては残酷なことなのだ。愛も真実であれば、残酷さも真実であるし、またそれが別の局面では怠惰と言うべきものにもなる。あらゆる意味は両極を孕んで存在している。わたしは信じるよりも、もっと、考えていたいのだ。海をつくるその水の一滴について、知りたいのだ。考えていたいと思った。愛するためにはそれが必要だと思った。そうして、何かをほんとうに考えるとき、わたしはそのものにただしく向いていなければならないことを知ったのだ。


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