ただしさと真実に関する考察と覚書/はるな
しかに宿っていて、雨の日に静かに流れ出して川へ出て、そして最後には海のような、母体ともいうべきものをつくる、そういうものだ。わたしたちは花が生む朝露の一粒が海へ帰る一生をこの目で実際に見たことはないけれど、そういう風に水分がまわりまわって海を成していることを知っている。たぶん海そのものが「ただしさ」で、水の行く末が「真実」なのだ。
わたしはあなたたちに対して、常に、出来る限りただしくいたいとは思うけれど、あなたたちにそうして欲しいとは思わない。もちろんあなたが、わたしに対してただしくありたいと思っているのであれば、それはほんとうに嬉しいことだけど、そうでないからといってわたしはあなたたち
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