昼寝の思い出/
……とある蛙
誰もいない六畳間
頬を畳にくっつけて
夏休みも終わりの午後
八歳の僕は昼寝する
風が簾を通して頬を撫ぜる
うつらうつらしている僕の眼の先には
隣の部屋でミシンを踏む
母の姿がぼんやり見える
遊び相手のいない午後
一人遊びに飽きてきて
マンガ本も放り出し
うつらうつら夢の中
まだまだ暑い夏の午後
母はカタカタ ミシンを踏み
人から頼まれた内職、頼んだ賃仕事
ミシンを踏む音が遠くなり
そのまま子供の夢に落ちて行く
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