御伽話その3〜俺はプリンス〜/永乃ゆち
あなたの瞳は輝いて
どの宝石よりも美しい
私には残酷過ぎるほど
あなたは純粋
私の足は
鎖で繋がれている
そのうち錆び切って
朽ち果てるのだわ
私あたなたが羨ましい
私あたなたが憎らしい
私あたなたが愛おしい
私本当は
あなたになりたかった
**
俺がその事に気付いた時には
もう何もかもが遅かった。
路地裏で商売をしている
ドンのルチーノに聞いた話だ。
俺も何とはなしに、気にはなっていた。
あのお嬢さんの父親が
“商売”に手を出して
どうやらしくじ
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