物語?半物語?物語/葉leaf
は、何かが始まり、それが続き、それが終わるという一連の事件のまとまりである。これはいわば(1)(2)(3)(5)の上位概念であり、それらを前提にした巨大的な事件の連合である。引用部では、海が膨れてくる(始まり)→波が床に上がってくる(継続)→妻が船虫に変わる(終わり)、という構造があるが、波が床に上がってくることと妻が船虫に変わることの間には、通常の因果関係がない(解釈で読み込むことは可能だが)。その意味で、引用部は事行として不完全であり、物語性が弱い。
(6)「最後の評価」とは、話者が結局その物語で何を言いたかったかを示すものである。この点、引用部は、特に明確に何かを主張するわけでも教訓を示
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