物語?半物語?物語/葉leaf
 
てくる。すなわち、書き手は、時系列に従って、自らを単一のテーマ(書く主体)とし、詩を書き始め、詩を書くことで何らかの変化をし、出来上がった詩を自分なりに評価する。読み手は、時系列にしたがって、自らを単一のテーマ(読む主体)とし、詩を読み始め、詩を読むことで何らかの変化をこうむり、その読詩体験を自分なりに評価する。特に、引用部における謎の投げかけは、読者に感銘を与えることで読者に情緒的な物語をたどらせることができる。そして、読者は今度は書き手として批評を書くという新たな物語を始めるかもしれない。ここには、作者の物語―書かれた半物語―読者の物語という三重構造がある。

4.おわりに

 廿楽の
[次のページ]
戻る   Point(4)