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ように笑っていた。
「アッハッハ」
 恵美子が笑い声を上げた。
「アッハッハ」
 三木が笑い声を上げた。
「アッハッハ」
 佐々木が笑い声を上げた。
 タオルを広げた。タオルの中には誰も居なかった。ミイラ男が身包みを剥がされていく。目が消えた。鼻が消えた。耳が消えた。口が消えた。喉が、胸が、あばらが恥骨が性器が、太股が、膝頭が、脹脛が、踝が、爪先が消えた。

「アッハッハ」
「アッハッハ」
「アッハッハ」
「アッハッハ」
「アッハッハ」

 おれは誰に怯えたらいいのだろう。
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