コンピューター、及びコーヒー、そしてタオルハンカチ/はるな
 
明らかに女物の香水の瓶。

駅まで帰る道では男は手をつないでくれなかった。


一秒に一京回の計算をするコンピューターは知能を持っていると言えるのだろうか?


コーヒーショップの主人に顔を覚えてもらったみたいだ。そこはちょっと高価なコーヒーで、炒るまえに豆を見せてくれる。見たって何がわかるわけではないのだが、しかし小さなボウルに入れられて手渡されたそれをくるりと回して見て、ええじゃあお願いしますと言いながら返す。すると主人が椅子を勧めてくれるので、彼が焙煎をしているあいだコーヒーを飲んで待っているのだ。そこで出されるコーヒーは豆を買う客のためのサーヴィスになっていて、今日はキリマ
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