D.V.D/さすらいのまーつん
そうしてまた
ここで壁に 突き当たる
何度も来た袋小路
幾度間違えれば
正しい道筋を 覚えられるのだろう
いやむしろ この惨めな反復を
彼は愛しているのかも
またスイッチを押す 流れ出る女の嬌声
それは人のいない浴室に打ち捨てられた
シャワーヘッドから
排水溝へと無益に流れ込む
卑しめられた 水のよう
誰の心も洗うことの無いまま
忘られ続ける 無垢な自然
時は顔を隠して 立ち去り続ける
それでいてその背中が
戸口から消えることは無い
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