魚人との日々/キメラ
嫁とまだ同棲していない頃、漏れはすごく苛々していた。就業時間中にソープやイメクラ、競馬場等に訪れ、仕事終わりにパチンコをして家に帰ると一人、薄暗い壁の隣の部屋の音楽の音量がでかく憎んでいた。11時過ぎると壁をパンチしたり長渕キックを見舞っていた。誰もいないのに物真似しながら、だ。そんなロマンティクな我が家に嫁が転がり込んできた。嫁は10時丁度に寝る。ふしぎな位それはジャストで、こいつなんも考えてないアホじゃねーかよと疑うほどに的確だ。11時になると漏れは壁をハンガーで叩いたり、長渕キックをする訳だが、異変があらわれた。漏れの凶悪なシンパシーが伝達するとき、決まって嫁が寝たまま漏れをポンポン
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