心のギャラリー/さすらいのまーつん
 
ャーみたいなものなのではないか、という流れになる。どんな仕草にもいくらかの真実が含まれているように、どんなに虚飾にまみれた詩にも、いくらかの真情が含まれている。
 そしておそらく、その作品が優れていればいるほど、書き手の心はより忠実に言葉の上に反映される。ただし、その表情は、あどけない子供の微笑みより、はるかに多様だ。
 
 泣いたり、叫んだり、慟哭したり、弾けるように笑ったり、遠い眼をして振り返ったり、ため息をついてささくれた両手を見詰めたり、激しく糾弾したり、夢見心地にうっとりしたり、思いがけなく見出した、かけがいのない何かに瞠目したり、と、まさに百花繚乱のおもむきがある。
 
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