逃げる人/そよ風
嫌だったら、逃げればいいよ。
あの坂道を登って一人自分の体がどうなっているか聞きに行くのはこりごりだ。
今、生きているんだからそれだけでいいじゃないか。
嫌だったら逃げればいいよ。
街角ごとに、染みがついていて、もう目を開けて歩けないなら、まだ染みがついてない街へ行けばいい。
嫌だったら逃げて逃げて逃げればいい。
遠い街の、カフェでいつか自分に出会うだろう。
その頃には、逃げる人としてそれなりに、なっているはずだ。
嫌だったら逃げて
嫌だったら逃げて
嫌だったら逃げて
好きな場所がみつかっているかもしれない。
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