砂丘の花/三条麗菜
いつの間にか
ひどい太陽が照りつける砂丘を
歩いている
その光は熱くはないけれど
肌を痛めつける
きっとこのまま
倒れてしまうのだろうけど
この痛さでは
安らかな死を迎えることはなさそうだ
砂丘はいくつ超えても
終わりがない
いつの間にか
隣に子供がいて
微笑んで私を見上げている
なぜ遊ばないの?
死ぬかもしれない時に
遊べるわけがないでしょう
この砂はよく滑るんだよ
そう言って子供は
砂の斜面に座って滑り始めた
下まで降りてしまうと
向こうの高い斜面を登り始めた
おいでよ
私も真似して座ってみたが
腰が沈むば
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